平成から令和へ新しく元号が変わりましたね。
ただ、発表までに時間が掛かったことに疑問を抱いた方も多いのでは?
この記事では、新元号の発表はなぜ遅い?という質問自体がナンセンスだという根拠を説明いたします。
調べて分かった元号システム。
実は大変奥が深いことが判りました!
30年ぶりの新元号に変わったことをきっかけに、浮かび上がった疑問点をまとめてみました。
過去の変わった元号などもご紹介していますので、読めば元号への理解が高まるようになりますよ!!
どうして新元号の公表は遅れるのか?
以下の2つの理由が考えられます。
早期の公表は天皇と新天皇の“二重権威”が生じる懸念がある
つまり、現天皇と新天皇が同時期に存在しては権威が二重になってしまうためです。
後述の一世一元の制に反するために、早期の公表は差し控えられました。
周知期間が長いと2つの元号が併存すると受け止められかねない
仮に2019年1月1日に新元号が公表されたとしましょう。
その場合、新元号の開始日が5月1日ですから、4か月の間に2つの元号が存在すると錯覚される恐れがあります。
新元号は天皇陛下の崩御日に即日決定するものだった!
一世一元の制により、新元号というものは本来は天皇陛下の崩御に伴い、即日決められるのが通例とされています。
あらかじめ決めておくこと=天皇陛下の崩御を予告するという意味が含まれているため不敬に当たってしまいますね。
従って、改元を早期に発表することは、倫理にもとる行為になるため、行われないことになっています。
また、政府が天皇の生前退位は一代限りとし、今後は行わないとしているため、今回限りの特別措置となります。
新元号への疑問点まとめ
新元号はいつ発表?
2019年4月1日(月)発表日となります。
新元号はいつから?
2019年5月1日(水)からスタート。
前日、2019年4月30日(火)に天皇陛下が退位されることになります。
新元号開始日はどうして4月1日からではなく、5月1日からなの?
会社の人事異動をスムーズにするためである事と選挙とが重なることが懸念されます。
天皇陛下の「国民に無理の生じない事」と私たち国民の事を配慮されたお考えが反映されていると言えます。
新元号の決め方は?
- 国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。
- 漢字2字であること。
- 書きやすいこと。
- 読みやすいこと。
- これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと。
- 俗用されているものでないこと。
おくり名とは生前の徳やおこないに基づいて死者に贈る称号。のちの諱(いみな)。諡号(しごう)。 ② 戒名。
引用元:Weblio辞書
新元号は誰が決めるの?
元号法という法律に基づいて、内閣が決定します。
内閣から新元号の案を委託された数名の有識者たちが、数個の候補を提出。
その中から内閣が1つ決定するという仕組みです。
新元号の候補は何?
コンピューターのシステム管理上、トラブルを起こさないため明治(M)・大正(T)・昭和(S)・平成(H)以外のアルファベットと予測されています。
従って、この4つのアルファベットが頭文字に来る元号を除いて考えてみましょう。
ネットの噂では「和」や「安」の文字が入ると予想する声が多いようです。
上位3位まですべてが、「平和な時代が来ますように」との願いが込められているのを実感できますね。
#新元号
竹田恒泰氏がリストアップした候補。
この中から選ばれる確率が高いらしい。
世論調査では平和を意味する元号が望まれていることから
そういったものが選考されるはず。 pic.twitter.com/X7H9PhL4rE— 尭深 (@ayashizaki) 2019年2月8日
和は今までに19回使用されてきたので、新元号にも使われる可能性は安よりも低いと予測してみます。
一番多く使われた文字は「永」で29回、二番目は「天」「元」のそれぞれ27回、4番目は「治」で21回、5番目は「応」で20回である。
引用元:Wikipedia
元号に「安」の文字が使われたことは過去にどれくらいあるの?
「安」の文字が使われた回数は今までに17回で、使われた時代は平安時代と鎌倉時代、北朝時代、南北朝合一後、江戸時代です。
平安時代の「安」の文字が使われた年月
- 「天安」西暦857年3月20日~859年5月20日
- 「安和」西暦968年9月8日~970年5月3日
- 「治安」西暦1021年3月17日~1024年8月19日
- 「保安」西暦1120年5月9日~1124年5月18日
- 「久安」西暦1145年8月12日~1151年2月14日
- 「仁安」西暦1166年9月23日~1169年5月6日
- 「承安」西暦1171年5月27日~1175年8月16日
- 「安元」西暦1175年8月16日~1177年8月29日
鎌倉時代の「安」の文字が使われた年月
- 「安貞」西暦1228年1月18日~1229年3月31日
- 「弘安」西暦1278年3月23日~1288年5月29日
- 「正安」西暦1299年5月25日~1302年12月10日
北朝時代の「安」の文字が使われた年月
- 「康安」西暦1361年5月4日~1362年10月11日
- 「応安」西暦1368年3月7日~1375年3月29日
南北朝合一後時代の「安」の文字が使われた年月
- 「文安」西暦1444年2月23日~1449年8月16日
江戸時代の「安」の文字が使われた年月
- 「慶安」西暦1648年4月7日~1652年10月20日
- 「安永」西暦1772年12月10日~1781年4月25日
- 「安政」西暦1855年1月15日~1860年4月8日
この一覧を見ますと、平安時代という名前の割には、異様に「安」の文字が多いですね。
戦国時代や、安土桃山時代という戦が頻発する時代に一度も使われなかったのも納得できます。
新元号により祝日に変化は?
2019年だけの祝日が2日追加されることになります。
・2019年5月1日 (水)新天皇陛下即位の日
現皇太子殿下が新しい天皇陛下に即位される日で、この日をもって新元号がスタートします。
・2019年10月22日(火)即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)
各国の国家元首や首脳が参列し、国内外に新天皇に即位されたことを宣明する儀式を行う日で、同日にはパレードが行われ、国民に広く即位を披露されます。
・2019年12月23日(月)は平日
2019年は天皇誕生日が存在しないことに気が付いたでしょうか?
皇太子さまの誕生日は2月23日ですので、2020年以降は2月23日が天皇誕生日で祝日となる見通しです。
従って2019年に関しては、2月23日時点ではまだ即位されていないので天皇誕生日となりません。
新元号の発表が遅い理由と、新元号への疑問点をまとめてみました。
元号という仕組みについて
新元号が何になるのか気になる方もいらっしゃると思います。
645年の大化の改新から現在まで続く、元号。
西暦と比較されることが多い元号ですが、その違いを比較してみました。
- 西暦=無限のシステム
- 元号=有限のシステム
君主が空間だけでなく時間を支配するという思想に基づく、この独特のシステムが、現代社会まで残っているのはなぜでしょう?
元号というものが持つ本来の意味やそれが変わることで、私たち国民の生活がどのように変化するのか、新しい元号がスタートする機会に考えてみてはいかがでしょうか?