破産者マップ閉鎖の原因は何?はさんマップを詳しく知る7大ポイント

破産者マップ

公開されて物議を醸していた話題のサイト「破産者マップ」が案の定、閉鎖されてしまいました!

 

これまで破産者の情報は知る手段は、官報を検索するしかありませんでした。

 

「破産者マップ」とは、そんな破産者の情報をなんと、Googleマップ上に表示した前代未聞のサイトなんです。

 

そんな話題性たっぷりのサイトがどうして、急に閉鎖されたのか気になりますよね。

 

そこで「破産者マップ」の公開から閉鎖まで、追いかけてみた結果わかったことを説明していきます!!

 

破産者マップは官報の役割を悪用して閉鎖!?

破産者マップ

引用元:Twitter

 

そもそも官報の役割とは?

官報

引用元:独立行政法人 国立印刷局

 

はじめに、官報について簡単にご説明しますね。

 

官報の役割:国の新聞のような役割を果たしています。

 

官報の内容1:内閣府(政府)が法律・政令・条約などを国民に知らせるのが目的

 

官報の内容2:裁判所で行われた破産や再生に関係する内容が記載今回はココ!

 

官報サービス

引用元:独立行政法人 国立印刷局

 

官報の利用料金(有料):(定期購読1520円[税別・配送料別]・一部購読130円)

 

官報の利用料金(無料):直近30日分はすべて無料で閲覧可能

 

官報を主に利用する人:法律事務所・金融関係者・市区町村役場・税務署・不動産関係・個人信用情報機関・警備会社・保険会社

 

このように、職業柄、破産者の情報を入手する必要がある方にとっては、無くてはならないものだとわかります。

 

ところが、破産者マップは官報の利用料金を無視して、直近30日どころか3年も前の情報まで無料公開してしまっていたのです!!

 

※さらに詳しく調査した結果、破産者マップの公開当初は10年前までのデータを無料公開することを検討していたことが判明しました。

 

破産者マップ 係長発言

引用元:Twitter

 

 チェックポイント1:破産者マップは本来、直近30日を超えた場合有料になる、官報の情報をタダで公開!

《破産者マップ運営による説明》
このサイトでは毎日、更新される官報に公示される自己破産者の住所と氏名を地図上にマッピングし公開を行っております
引用元:www.hasanmap.tokyo(現在はサイトが見られなくなっています)

 

破産者情報は官報の「公告」から閲覧できる

破産手続き開始

引用元:emuzunetwork.com

 

官報の公告の項目に「裁判所」があります。

 

ここから破産や免責、再生関係などの情報を閲覧することが可能です。

 

ご利用の前には、「ご利用に当たって」を一読されることをお勧めいたします。

 

官報の利用規約の禁止行為

次に官報の利用規約の禁止行為について見てみましょう。

 

官報の利用規約:第6条(禁止行為)

 

二 本サービスの記事、図形等のデータを個人的な使用の範囲を超えて利用すること

 

三 本サービスの記事、図形等のデータを営利目的として利用すること

 

八 甲又は第三者の財産、プライバシーを侵害する行為又は侵害するおそれのある行為

 

このように、複数の禁止行為に該当しているため、破産者マップは閉鎖されたのでしょうか?

 

サーバー増強のために篤志家を募集=寄付金目的?

 

登録情報削除フォームに個人情報を送るとAmazonギフト券3万円を要求された?!

 

仮装通貨(暗号通貨)で寄付金募集するも失敗?

 

このように、破産者マップは官報の利用規約に反していたことは間違いありません!

 

 チェックポイント2:破産者マップは、官報の利用規約の禁止行為に抵触する行為を重ねていた

破産情報には何が記載される?

平成○年(フ)第○○○号・住所・破産者の氏名・決定年月日・主文・理由要旨・裁判所名

官報 破産手続き

引用元:syakkin-g.com

 

このように、破産者氏名や住所まで、詳細に記載されてしまうのは「国が発行する官報」だからこそ。

 

これが破産者マップのように、カンタンに誰にでも見られるようになったことが大問題なのです。

 

破産者マップが犯した功罪をさらに詳しく見ていきましょう!

 

破産者マップの罪と罰!やってはいけなかった?

破産マップ

引用元:Twitter

 

破産者マップが作られた目的は

係長の立場でこんなこというのもあれなんですが、本当は破産者マップじゃなくて、
警察か交通安全協会から、歩行者の交通事故発生のデータをもらって、
交通事故の時間帯別ごとにマップ化して、さらに携帯アプリにそのデータいれて、
危険な場所にさしかかったら携帯が震えて知らせてくれるー

破産者マップの作成者と思われる「係長」のコメントを読む限り、本当は交通事故防止マップを作りたかったそうです。

 

誰もが自由にデータにアクセスでき、分析、評価し、
よりよい意思決定ができるようになる日がこの国にもやってくることを期待

日本に眠っているまだ活用されていない国や自治体がもつデータを、
個人を特定できない形にした上で、研究者に加え、この国に住む
誰もが自由にアクセスできる国になってほしい。

このような発言から、破産者マップの公開時には、高邁な思想を持っていたことがうかがえるようですね。

 

でもそれならば、どうして詳細な情報を入力しないと、破産者マップから削除できない仕組みにしたのでしょうか?

 

どう考えても破産者の方々の「現在の個人情報取得」目的だと疑われても仕方が無いように思えます。

 

 チェックポイント3:情報の訂正、削除の申請に必要な項目が多すぎる!

破産マップ 削除項目

引用元:Twitter

 

 チェックポイント4:破産に至った事情や破産後の生活まで!!200字以上記入する必要がある削除フォーム

破産マップ 削除フォーム

引用元:Twitter

 

普通じゃ考えられないほど、破産者の方々の個人情報が欲しくて欲しくて仕方がなかったのではないでしょうか?

 

入手した個人情報をどのように利用する目的があったのか、まではわかっていません。

 

ただ、破産者マップの作製と運営に掛かる費用は決して安いものではなかったことから、営利目的だと考えるのが普通でしょう。

 

破産者マップの良いところ

破産者マップ

引用元:Twitter

 

破産者マップが公開されたことから、破産者の検索が飛躍的にカンタンなものになりました。

 

一般の人が手間のかかる官報の裁判記事(PDF書類)の閲覧を、日常的にする機会って普通はありませんよね?

 

それが、破産者マップではGoogleマップを利用していたこともあり、誰にでも簡単に見ることができて、検索の手間が大幅に削減されました。

 

メディアの方からの取材要請が来ております。一般に広く公開してますので、
WEBページを写すことも、ツイッターを引用することも自由です。
これはサイト利用者様にもいえ、自由に引用、ハードコピーを行ってください。
報告や許可は必要ありません。

破産者マップは官報の利用規約の禁止行為に該当する内容でしたが、著作権フリーをうたっていました。

 

検索したい方の面倒な手間を、大幅に省くことに成功した破産者マップ。

 

でもこれだけだと「虎の威を借りる狐」といった印象を受けてしまいますよね。

 

虎の威を借りる狐

引用元:Twitter

 

気軽に見られる簡便さと、家族や身内など自分と極めて近しい人物を、調べる際にはとても便利なものです。

 

しかし弊害ももちろんあります!!

 

破産者と呼ばれる方々は、正規の金融機関や消費者金融から借り入れが出来なくなります。

 

闇金

引用元:Twitter

 

そこにつけこんだ、いわゆる「ヤミ金」と呼ばれる貸金業者が破産者を狙って高利貸付を目論みます。

 

これまで、官報をマメにチェックしないと閲覧できなかった、破産者情報が容易に取得できるのはきわめて合理的ですよね!

 

ただし、破産者情報に記載の住所から破産者の方々が引っ越しをされていた場合、通常はコンタクトを取ることができません。

 

破産者マップ

引用元:Twitter

 

そのため、破産者マップでは、削除項目に現在の住所や、破産に陥った理由など詳細な項目に記入をする手続きが必要となっていました。

 

破産者であることを周囲に知らされる恐怖と、苦痛から逃れるためには、この削除項目に詳細な情報を記入しなければいけません!

 

このような仕組みになっていたため、ヤミ金業者は破産者マップが作られたメリットを、最大限に享受することができるようになりました。

 

違法な貸し付けをしたい闇金業者にとっては、これほど面白くためになるサイトは他に見当たらないのでは?

 

 チェックポイント5:破産者マップは闇金業者にとって非常にメリットのある内容だった!!

破産者マップの悪いところ

破産者

引用元:Twitter

 

破産者マップの登場で破産者情報が、一般の方々にも広く公開されてしまいました!

 

破産者マップが、破産者の名誉を傷つけているというコメントをよく頂くのですが、
誰もが自由に見ることができる状態で官報を公開してる図書館や大学も、
破産者の名誉を傷つけているのでしょうか?公民の教科書に書いてないので教えてください。おねがいします。

破産者マップの製作者は、このような大義名分を掲げたようですが、官報を見られる図書館や大学が破産者の名誉を傷つけている?

 

ちょっと意味が良く理解できませんね。

 

「官報に載っている情報なんだから、だれでも閲覧できるのは当たり前!それを簡単にしたのだからどうして責められるの??」

 

破産者マップ

引用元:Twitter

 

「破産者=社会のゴミだからさらし者にされても誰も文句は言わないでしょ!だって官報で公開されてるんだもの!!!」

 

要約すると、破産者マップ作成者はこのような感覚の持ち主なんですね。

 

ちなみに、自己破産(返済不可)や民事再生(借金減額)は、借金を満足に返済できなくなってしまったことを意味します。

 

これは初めから返済の意志がない詐欺目的とは異なります。

 

実は日本の法律上、借金を返済できないことは、違法ではありません。

 

※借金を返済できなくなったからといって、罰せられる法律は存在しないためです。

 

※債権者(お金を貸した側)にとって、貸付=融資=投資です。

 

※融資の運用や資金の回収に失敗した場合は、投資同様に自己責任になるわけですね。

 

借金取り立て

引用元:Twitter

 

また、借金の強制的な取り立ては法律上できないことになっています。

 

借金督促(取り立て)の9ルール。これに違反していたらすぐに警察へ

 

 

自己破産=弁護士を食わせる制度だと言うことも、普通の方はご存じないことの方が多いのではないでしょうか?

 

「破産者になれば、官報に載りますけど、面倒だから普通の人はほとんど見ませんよ」が自己破産させる弁護士の常套句

 

弁護士バッジ

引用元:Twitter

 

つまり、自己破産は弁護士にとっての貴重な収入源なのです。

 

決して、社会的弱者のためにある制度ではありません。

 

借金=恥だと考える日本の風習がまかりとおっているため、返済できなくなった方は肩身の狭い思いをされることがほとんどですね。

 

それをまるで、鬼の首を取ったかのような大義名分を掲げて、望まぬ生活を強いられることになってしまった、債務者の方々の個人情報を白日の下にさらす行為。

 

これではまるで、私刑(リンチ)だと受け取られても仕方が無いように思えますね。

 

破産者マップ

引用元:Twitter

 

興味本位で、破産者マップを見た人が自分の身内や知り合い、ご近所さんが破産者だったと知ったらどうなるでしょう?

 

晒しものにされてしまった破産者の方々は、今後どのような思いをして生活していかれるのでしょう?

 

破産者マップの削除依頼をすると情報屋に売られてしまう?

 

 

破産者マップを公開したことで、もっとも極悪だと感じたのは、削除の条件として、破産のいきさつ、破産後の生活状況、身分証明書のコピーなど、必要としたことです。

 

これでは個人情報の売買目的だと、疑われて仕方がありませんよね。

 

 チェックポイント6:個人情報の売買目的に利用された可能性が高い

個人情報売買

引用元:Twitter

 

また、削除依頼の詐欺フォームが乱立するキッカケにもなってしまいました。

 

 チェックポイント7:削除依頼詐欺が横行する原因を作ってしまった

詐欺

引用元:Twitter

 

 

破産者マップと運営者は今後どうなる?

破産者マップ

引用元:Twitter

 

運営者が破産者マップを非公開にしてしまったこともあり、現在閲覧は出来なくなっています。

 

困ってる人に、お金をあげたり、マクドナルドに一緒に行ったり、バナナをあげたりします。
このマップは、あなたの近所にいる困っている人、助けて欲しい人がすぐにわかります。
困っている人を助けたり、困っている人どおしが仲間になって、助け合ったりすることができます。

当初の目的(交通事故防止マップ作成)に付け加えて、困ってる人の助けになるということでしょうか?

 

破産マップを公開されたことで、困る人が増えるとは全く考えていなかったように思われても仕方がありませんね。

 

「破産者マップ削除依頼代行業」の存在を教えていただきました。
このような業者さんからの申請がどのくらい来ているのか、こちらではわかりませんが、
審査の際、このような業者さんがいることを前提に読むことにしました。
申請には一切お金はいただいてませんので申請される方は注意してください。

異常な程、詳細な個人情報を入力しないと削除を受け付けない削除フォーム。

 

金銭の類は受け取っていないといいつつも、破産者マップには受け取った「個人情報の取り扱いに関しての記載がなかった」ことにも注目したいところですね!

 

悲しい話をいっぱいみて、心が折れてきました。
今日、まだ飯くってないし。サーバー重いし、脅しに怯えてスタッフやめていくし。
「皇居の上にピンを落としてるのは、陛下に対する侮辱か、おまえ?」
某団体からメールくるし。メンタルが折れてきました。

このような発言もされています。

 

当初掲げられていた、高邁な思想はどこへ行ってしまわれたのでしょう??

 

サイト閉鎖発言で、形ばかりの謝罪文をTwitterアカウント上で掲載していますが、どうなるのでしょうか?

 

今後は名誉毀損や個人情報保護法違反での刑事告訴・告発も検討されている動きが!!

 

ついに、名誉毀損や個人情報保護法違反での刑事告訴・告発も視野に入れて弁護士チームが結成されたようです。

 

すみません、皆様のご意見をお尋ねしたいのですが、公務員、金融関係、
教壇に立っておられる方からの削除申請があり、周りに知られると首になる、
お金が扱えなくなり失業する、親御さんに知られてしまう、学会発表で困るという理由です。
みなさんなら。どのように考えますか?

…とのことです。

 

 

破産者マップの作成者には、自分が破産者の立場になってみたら…という視点が欠けていたように思われますね。

 

僕の気づきを共有させてください。
官報は公開情報で、誰もが図書館や大学等で自由に見ることができます。
破産者の住所や名前を誰もが自由に知ることができます。
官報の破産者情報は「文字列」として書かれていますが、
今回のプロジェクトでは官報の文字列を地図上の「点の集合」に置き換えました。

告発された場合、今度は破産者の立場に立たれる可能性大ですから、破産者の気持ちにも気づかれると良いですね。

 

※破産者マップは「破産法第253条による非免責債権」に該当する可能性が高い!!

 

非免責債権の条件「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求」に該当します。

 

裁判官の判決次第で、非免責債権とみなされる可能性があるわけですね。

 

非免責債権

引用元:債務整理に強い弁護士

 

ちなみに、非免責債権とは、自己破産をしても免除されないことを意味します。

 

多額の損害賠償金を請求された場合、この破産者マップの作者は自己破産しても請求額の支払いを免責されません。

 

つまり、膨大な賠償金を背負わされた場合「死ぬまで支払いを続ける人生」が待ち受けているわけです。

 

破産者マップが、今後どのような物議をかもすのか・どのような形で決着が付くのか、見守っていきたいと思います。

 

事故物件公示サイトで有名な大島てるの場合は、個人名が出ない匿名性が市民権を得ている理由なんですね。

 

いよいよ、被害者弁護団の結成と活動資金をクラウドファンディングで募集されることになりました!

 

破産者マップまとめ

破産マップ係長

引用元:Twitter

 

チェックポイント1:破産者マップは本来、直近30日を超えた場合有料になる、官報の情報をタダで公開!

 

チェックポイント2:破産者マップは、官報の利用規約の禁止行為に抵触する行為を重ねていた

 

チェックポイント3:情報の訂正、削除の申請に必要な項目が多すぎる!

 

チェックポイント4:破産に至った事情や破産後の生活まで!!200字以上記入する必要がある削除フォーム

 

チェックポイント5:破産者マップは闇金業者にとって非常にメリットのある内容だった!!

 

チェックポイント6:個人情報の売買目的に利用された可能性が高い

 

チェックポイント7:削除依頼詐欺が横行する原因を作ってしまった

 

以上、破産者マップの公開から現状までをお伝えしました。

 

破産者とは、ギャンブルや、浪費などの遊興目的で借金を抱えて破産した方ばかりとは限りません。

 

親の借金を背負うことになったり、だまされて連帯保証人になってしまった、気の毒な方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか?

 

官報に記載されている=あまねく世間に知らしめても問題ない

 

破産者マップ

引用元:Twitter

 

このように考えてしまったことが悲劇の始まりになってしまったようです。

 

破産者マップが作られたいきさつから、当初は交通事故防止にも役立てると言う、大義名分があったのでしょう。

 

※2019年3月20日追記:破産者マップの作者に行政指導が入ったニュースが飛び込んできました。

 

 個人に対して行政が指導するというのも、それだけ悪質さが際立ちますし、広く一般の方が知ることになってしまいましたね。

 

大方の予測通り、サイトの閉鎖となってしまいましたが、今後破産者マップ運営者がどのような結末になるのか、注目したいと思います。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。